お母さん育児日誌 「ミニカーといっしょ」 その2

お母さん育児日誌 「ミニカーといっしょ」その2
「一歳半検診で起きた思いもよらない事件とは?」

生まれてからずっと、クルマの名前もミニカーの名前も、すべて固有名詞で教えてきました。
言葉は遅い方でしたが、クルマのエンブレムは満1歳で30個以上、1歳半の頃には100以上のエンブレムや車名を認識していたと思います。
しかし、1歳半検診の際には「固有名詞子育て」の影響で思いもよらない「事件」が起きてしまいました。



1歳半検診では、発達段階をチェックするため「指さし」という項目があります。
ほぼ全国どこでも試験の項目としてあると思います。
横浜市の場合は、1歳半の子でも理解できるような、ティッシュやコップ、犬、絵本など5-6種類の絵が描かれたボードを見せられ、保健婦さんが「わんわんどれかなー?」と聞いたら、赤ちゃんが犬の絵を指さす、というテストです。

息子の一歳半検診の時、そこには、クルマの絵もありました。
赤い車。車種はわかりません。
かなりデフォルメされたいわゆる子供向けの絵本に出て来るような車の絵です。
保健婦さんは、息子に向かってにこやかな満面の笑みと共に、開口一番こう言いました。

「ヒロ君、ブーブーはどれかなー?」

(ぶ、ブーブ…)
ヤバい。ブーブなんて教えてない。
息子は知らないぞ。
案の定、息子は指さしなどせず、ただただじっと座っています。
うちの息子はブーブーが分からない。
だから、「ブーブーはどれかなあ?」と聞かれても、何を指せばいいのかわからない。
ずっと固有名詞の車名で教えて来ましたからねえ。
また、その赤い車は車種の特定ができない。息子は車種が分からない車には、まったくといっていいほど興味を示さない……。

重苦しい空気が流れます。
高まる緊張感…。
指さしをしない息子を前に、保健婦さんは戸惑っています。
ふと見ると、保健婦さんが持つボールペンの先端は、「要観察」の上にありました。
今にも、要観察にチェックが入りそう。

これはヤバいと思った私はとっさに思い付きました。
そうだ!車種は特定できなくても、このイラストの車にはドアミラー、タイヤ、ホイールはある!
私は小声で息子の耳元でささやきました。
「ヒロ君、ドアミラーどれ?」 すると息子は即座にその赤い車のドアミラーを指差しました!
やった!
しかし、保健婦さんは不満そう。
駄目か…私はまた息子に尋ねてみました。

「ヒロ君、じゃ、タイヤどれ?」「ウィンドウシールドどれ?」息子は、絵の車のタイヤとフロントガラスを瞬時を指差しました。
しかし保健婦さんはこう言いました
「…おうちでは指差し、してるんですよね?」
(おうちって、いまここでやってるじゃないですか)
「あ、はい。あの、うちは、ブーブーとかって教えてなくて、その全部固有名詞の車名で教えてるんです。だから、ブーブーって言われてもわからないんです。それに車種の判別ができない車には全く興味を示さないので…」
「……」
保健婦さんは(何言ってるんですかあなた)みたいな顔をしていました。
保健婦さんは、自分が聞いたことに反応しないことがとても不満なのでしょう。
マニュアルから外れたことには納得いかないんでしょうね。
しかしまあ、しぶしぶではありましたが、要観察にチェックが入ることなく次の身体計測に進むことができました。



ミニカーや車とは関係ないんですが(笑)次の身体計測では、身長90センチを記録。
今度は「背が高いわねえ。横浜市最大級ですよ!」と称賛?されました。
この時期の赤ちゃんはまだ寝かせて測るタイプの身長計(最長90㎝)を使うわけですが、息子はそれでは測れないサイズでしたので、正確には90㎝以上ですが。

後に語り継がれる?伝説的な出来事が多くあった1歳半検診でしたが、もう一つ、親子の歴史の中で大きな出来事を経験しました。
一歳半検診の時に車を停めた駐車場での出来事です。

次回に続きます。